衛星通信を利用したインターネットサービスのスターリンク。
衛星通信は光回線と違って、まだ馴染みが無いので速度がどれくらい出るのか気になりますよね。
そこで本記事では、スターリンクの速度について、速度の口コミや他社サービスとの比較を見ながら徹底検証します。
スターリンクを申し込む前に速度について知っておきたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
スターリンクの通信速度の概要
プラン | レジデンシャル | ROAM |
---|---|---|
下り速度 (予想) | 20~100Mbps | 5~50Mbps |
上り速度 (予想) | 5~15Mbps | 2~10Mbps |
レイテンシ (予想) | 25~50ms | 25~50ms |
上り速度はアップロード速度
レジデンシャルは月額6,600円の一般家庭用のプラン、ROAMは月額9,900円の外出先でも利用できるプランです。ただROAMは利用していない月は月額料金がかかりませんので、サブ回線としても使いやすいかもしれませんね。
スターリンクの通信速度は、他社のサービスのように「最大通信速度」との表記ではなく「予想速度」という形で公式いサイトで表記されています。
予想速度は最大通信速度のように、最良な通信環境で出るいわば理論上の最大値となるので、実測値(実際に出る速度)とは大幅に違うことがあります。
一方予想速度は、実測値とはあまり変わらないので、実測値をわざわざ調べなくても、速度のイメージが付きやすいのが良いですね。

スターリンクの速度に対する声
続いてスターリンクの口コミをTwitterで見てみたので見てみましょう。
スターリンクの速度は「速い」との口コミが多い
衛星通信のスターリンク。速度はどうなんだろうと思われた方も多いと思いますが、評判を調べてみると「速い」との口コミが多かったので、通信品質は高いと言ってもいいでしょう。
ADSLが終了し、次の回線をお探しの方の中には、光回線エリア外の方もいるかと思います。そのような方にとって、衛星通信を利用したスターリンクが魅力に感じるかもしれません。
田舎でも問題なく利用することができる
スターリンクは光回線の契約ができない田舎でも利用することができます。
現在、ほとんどのエリアで光回線が利用できますが、まだ一部のエリアでは回線設備がなく、光回線が利用できないエリアがあります。
ただし、スターリンクの場合は空の開けた場所であればどこでも利用することができます。実際にTwitterでも「光回線使えないけどスターリンクなら使える」との口コミが多く見られますので、光回線の利用できないエリアの方も快適に利用できているようですね。
田舎にお住まいの方も安心して契約できますね。
悪天候でも問題なく利用できる
スターリンクは、上空からの電波をキャッチするため「悪天候の時は繋がりにくいのでは」と思う方もいるかもしれませんが、口コミを見た感じでは、悪天候の時でも充分速いとの口コミが多く見られました。
スターリンクの公式ホームページには「雪、雹、みぞれ、大雨、極度の暑さなど、様々な気温や気象条件に対応できるように設計およびテストされています」と記載されていましたので、基本的には悪天候でも速度低下することなく利用することができます。
日本のように、四季がある国だと季節によって天候が大きく変化します。様々な気象条件に対応しているスターリンクは、日本でも使いやすそうですね。
Ping値が高くオンラインゲームは厳しい
スターリンクの速度に関して、いい評判が多くありましたが、ネガティブな口コミもありました。それはPing値が高いということ。
オンラインゲームを楽しむには、だいたい20ms以下であることが望ましいのですが、口コミを見てみると40ms以上あることが分かります。Ping値が高いと、ラグ(動作遅延)が発生する可能性が高く、オンラインゲームをする方にとってはストレスになってしまいます。
もちろんオンラインゲームの種類によっては、快適に利用することはできるのですが「オンラインゲームをするためにネットを繋ぎたい」という方は、スターリンク以外のサービスがおすすめです。
スターリンクの予想速度を他社のサービスと比較
それではスターリンクの速度を他社のサービスと比較してみていきましょう。
スターリンクは実測値が掲載されていないので、予想速度を用いて検証していきます。
スターリンクの予想速度を光回線の実測値と比較
サービス名 | 下り速度 | 上り速度 | Ping値 (レイテンシ) |
---|---|---|---|
スターリンク (レジデンシャル) | 20~100Mbps | 5~15Mbps | 25~50ms |
ドコモ光 | 272.31Mbps | 233.69Mbps | 20.81ms |
auひかり | 467.79Mbps | 443.63Mbps | 17.56ms |
ソフトバンク光 | 326.93Mbps | 258.38Mbps | 16.51ms |
楽天ひかり | 242.85Mbps | 217.85Mbps | 21.36ms |
NURO光 | 563.91Mbps | 511.57Mbps | 11.71ms |
まずは光回線との比較になります。
ご覧のように、現状は光回線の方が速度は速いことが分かりますね。スターリンクは月額6,600円かかりますが、光回線は5,000円前後で利用できることを考えると、メイン回線として敷くのであれば光回線をおすすめします。
ただ、評判にあるように自宅用として利用するのも問題なさそうなので、光回線の利用ができない方は契約するのもアリですよ。
スターリンクの予想速度をホームルーターと比較
サービス名 | 下り速度 | 上り速度 | Ping値 (レイテンシ) |
---|---|---|---|
スターリンク (レジデンシャル) | 20~100Mbps | 5~15Mbps | 25~50ms |
home 5G | 207.29Mbps | 20.57Mbps | 50.99ms |
ソフトンバンクエアー | 75.5Mbps | 8.24Mbps | 45.99ms |
au ホームルーター 5G | 90.83Mbps | 11.76Mbps | 53.44ms |
Rakuten Turbo | 70.24Mbps | 29.71Mbps | 47.57ms |
WiMAX | 90.94Mbps | 16.10Mbps | 49.28ms |
続いてホームルーターと比較してみました。
home 5Gの下り速度が別格に速いものの、そのほかの項目ではあまり差はないのが分かります。
スターリンクもホームルーターも衛星や基地局からの電波をキャッチする「無線通信」なので、もしかしたら光回線ほど差が生まれなかったかもしれません。
ただし、ホームルーターの場合は、近隣に基地局が整備されていれば問題ないのですが、基地局から遠い位置に住んでいる方は上記の実測値よりも速度が低下したり、最悪エリア外の可能性も出てきます。
その場合は、日本全国どこでも利用可能なスターリンクの方が良いのかもしれませんね。
スターリンクの予想速度をポケット型WiFiの実測値と比較
サービス名 | 下り速度 | 上り速度 | Ping値 (レイテンシ) |
---|---|---|---|
スターリンク ( ROAM) | 5~50Mbps | 2~10Mbps | 25~50ms |
WiMAX | 71.60Mbps | 13.45Mbps | 52.96ms |
Pocket Wi-Fi | 45.09Mbps | 11.29Mbps | 44.16ms |
Rakuten WiFi Pocket | 26.64Mbps | 25.89Mbps | 52.59ms |
THE WiFi | 23.95Mbps | 11.65Mbps | 67.79ms |
どんなときもWiFi | 10.11Mbps | 10.08Mbps | 55.6ms |
スターリンクはポケット型WiFi同様に持ち運びができるROAMで見ていきます。
見て頂けると分かるように、下り速度に関してはそこまで差はありませんが、上り速度を見てみると、ややポケット型WiFiよりも劣っているとの結果がでています。
ただ、利用していない期間は無料なので、それを考えると、サブ回線にスターリンクのROAMを契約するのは悪くない選択かもしれません。
スターリンクの予想速度をケーブルテレビの実測値と比較
サービス名 | 下り速度 | 上り速度 | Ping値 (レイテンシ) |
---|---|---|---|
スターリンク (レジデンシャル) | 20~100Mbps | 5~15Mbps | 25~50ms |
J:COM NET | 246.64Mbps | 39.36Mbps | 24.62ms |
ベイコムネット | 72.05Mbps | 8.5Mbps | 38.67ms |
イッツコム | 80.34Mbps | 6.3Mbps | 15.03ms |
スターキャット | 62.92Mbps | 8.13Mbps | 23.48ms |
ちゅぴCOM NET | 79.84Mbps | 5.66Mbps | 27.87ms |
続いてケーブルテレビとの比較を見ていきましょう。
ケーブルテレビ回線で人気のJ:COM NETは下り速度、上り速度で見てみると群を抜いていますが、そのほかのサービスはスターリンクと同程度と言っていいでしょう。
エリア的に光回線の契約が困難な方はスターリンクを本回線として利用するのもいいかもしれませんね。
スターリンクの予想速度を用途別の目安と比較
用途別の通信速度の目安を見ていきましょう。
これを見ればスターリンクがどの用途で利用できるかが分かります。
プラン | レジデンシャル | ROAM |
---|---|---|
下り速度 (予想) | 20~100Mbps | 5~50Mbps |
上り速度 (予想) | 5~15Mbps | 2~10Mbps |
レイテンシ (予想) | 25~50ms | 25~50ms |

下りとは、インターネット上からパソコンやスマホにデータを受信(ダウンロード)する方向を表します。
用途 | 下り速度の目安 (ダウンロード) |
---|---|
メッセージの受信 | 128Kbps~1Mbps |
サイト閲覧・ビデオ通話 | 1Mbps~10Mbps |
動画視聴(YouTubeなど) | 3Mbps~25Mbps |
オンラインゲーム | 30Mbps~100Mbps |
スターリンクの予想速度と通信速度の目安を見比べてみると、レジデンシャルの場合は、動画視聴やサイトの閲覧は問題なく利用できる速度が出ていると言えますね。ただし、口コミでも紹介しましたが、Ping値が高いため、オンラインゲームをするのにはあまり向いていません。オンラインゲームを楽しみたい方は、光回線をおすすめします。
ROAMの場合は、サイトの閲覧やビデオ通話は快適にできるものの、動画視聴は、容量の大きい高画質の場合はもしかしたら途切れてしまう可能性があります。やはりメイン回線ではなくサブ回線として利用するのがベストです。
スターリンクは30日以内であれば無料で解約できる
スターリンクを申し込んで「速度が遅いな…」「アンテナの位置変えても速度が改善しないな…」などサービスに満足できない場合、30日以内であれば無料で解約することができます。
光回線にも「初期契約解除制度」というものがあって、サービスに不満であれば契約を解除することは可能ですが、3万円前後かかる開通工事費は返ってこないことがほとんどです。また、8日以内に申請しなければ制度が利用できないのもデメリットです。
しかし、スターリンクはアンテナを含む機器代金が全額返金され、なおかつ30日も期間が設けられています。
とりあえず試しに申し込んでみるのもアリですね。
スターリンクの利用までの流れ
- アンテナ
- アンテナベース
- Wi-Fiルーター
- 接続ケーブル
- 電源コード
上記5点が入ったスターリンクキットが届きます。
室内ではなく、上空が見渡せるエリアに設置しましょう。屋上や屋根に設置するのがおすすめです。
専用アプリから、Wi-Fiを接続することができます。
スターリンクの速度に関するよくある質問
- スターリンクの実測値が公開されているサイトはありますか?
-
現状スターリンクの実測値が公開されているサイトはありません。ただし、YouTubeでは実際に利用した方がレビューした動画が公開されていますので、そちらを参考にしてみるのもいいですよ。
- スターリンクの速度が天候によって変化することはありますか?
-
スターリンクは基本的にどの気候条件であっても問題なく利用可能です。
ただし、Twitterを見てみると悪天候の時に速度が低下したという意見も少し見られましたので天候によって変化することはあるかもしれません。
まとめ
- メイン回線として利用できるが、オンラインゲームには不向き
- 光回線の設備がないエリアでも利用することができる
- 悪天候でも利用することができる
スターリンクの速度について解説してきましたが、いかがでしたか?
スターリンクは、自宅のメイン回線として全く問題なく利用できますが、オンラインゲームをする方にはおすすめできないことが分かりました。
ただし、今後さらにテクノロジーが進化して、通信速度が光回線ほど速くなる可能性もあります。
速度に不満であれば30日以内に申請すれば無料で契約解除できますので、気になる方はとりあえず試してみるのもいいですよ。